PARTNER STORY 2022

夢の「千葉ダービー」に思いを馳せる2022-23シーズン

――株式会社スズケン/建築工房 櫓 -YAGURA- 代表取締役社長 鈴木健二

かっこいいな――鈴木氏がアルティーリ千葉の存在を初めて知ったときの印象は、このシンプルな一言だった。それは鈴木氏にとって重要な要素だった。ブラックネイビーで統一されたクリエイティブワークにはクラブの理念が感じられ、一本筋を通しているということが伝わってきたのだという。

一本筋の通った理念を感じたブラックネイビーの世界観

船橋市、市川市、千葉市、市原市までを含めた千葉県北西部を中心的な商圏として注文住宅の建設を手掛ける櫓は、人々の夢や将来構想を形にしていくことを生業とするプロ集団だ。1998年の法人設立以来、今年で25年目という節目の年に突入している。

公式サイトでコンセプトとして謳われているのは、「お客様のために、心からくふうする」という言葉。外見的にも満足でき、機能的で暮らしやすい家屋を作るために、すべてのパーツやアイテムを超高級品ばかりで固めるような提案は行わない。「ウチの会社も何かを作っていくという過程で、良いものをたくさん使えばそれで見栄えのするものができるか、かっこよく見えるのかというと、そうではないんです」

一つ一つの家庭の、そこにしかない幸せの形を作り上げるために、相手の思いに耳を傾け、要所々々にくふうを凝らしたこだわりをちりばめる。望むようなたたずまいの家屋を建てるにはそんな作業が欠かせない。「ウチのコンセプトは、必要なところに必要な分だけ注力することに繋がります。無駄な費用をお客様に押し付けたくありませんし、ここぞというところに心を込めて努力していくんです」

その結果として人々の笑顔に触れられる。「見てごらん、かっこいいおうちができたよ」。そんなふうに語らう一家の姿こそが、家づくりのプロとしての醍醐味だ。そうしたサービスを提供できるためにと、社内では「8つの心がけ」を掲げて業務に取り組んでいる。これも公式サイトで見ることができるが、どれも大げさなことではない。「近隣の人々への挨拶をきちんとすることや、電話対応などの心の部分ですよね」と、鈴木氏は説明する。「何も費用をいただかなくても、お客様に満足していただけるというようなところがウチの特徴です。僕は人間力という言葉がすごく好きで、何か気分よくいろいろな話をして、発展的な会話ができて、その結果良い家が建てられて…みたいなことなんですよ」

アルティーリ千葉のユニフォームをはじめとしたブラックネイビー一色のクリエイティブワークに、鈴木氏は自社の「無駄がなくかっこいいものを作りたい」という思いや理念を重ね合わせ、共感した。その説明を受けながら、理念を実現していく人間力を持ったクラブだとも感じた。「リーグのこれからを見るような、一歩先を行っているクラブなのではないかと思ったんですよね」。こう感じた鈴木氏はパートナーシップに乗り出した。アルティーリ千葉としては、一歩先を行くスピードを加速する力を得た。一方の櫓としては、共感できるクラブへの支援を通じて、人々の豊かな暮らしやコミュニティーづくりに、これまでと違う形で参加していく機会を得ることとなった。

夢の千葉ダービーを実現させよう

櫓にとって、2022-23シーズンはアルティーリ千葉のパートナーとして過ごす初めてのシーズンだ。鈴木氏のチームに対する期待はやはり大きく、「まずは結果を出してほしいです」と率直に話している。ただし、何より大事なのは、今後につながる確実なステップを踏むだと見ている。

「1シーズンでB1昇格といくとは限りません。B3から昇格してきたばかりの現段階では、B2での立ち位置も正直なところわからないじゃないですか。だから、例えば昇格がかなわなかったとしても、ある程度の道筋を見せてほしいです。本質的なところで1年間の前進が見えて、どこをどうやって補えばいいんだというのがわかれば、そばで見守る立場として応援できますよね」

また、チームへの期待とともに、新たなパートナーシップで自社内にもこれまでにない活気がもたらされることを期待している。その意味で、アルティーリ千葉がまだクラブ創設シーズンを終えたばかりだったということも、鈴木氏にとってはパートナーシップに乗り出す大きな動機の一つだった。「社内では、若くて高い目標を掲げているチームで、今の櫓と同じようなところがあるんだよ、お互いに重なるところがあるから一緒に成長していきたいんだ、と話しています」

もしかしたら、「建築工房 櫓」というブランド名を、アルティーリ千葉のパートナーリストの中に見つけて少なからず驚いているファンもいるかもしれない。なぜなら櫓は昨シーズンまで、アルティーリ千葉と同じ千葉県に拠点を持つB1の強豪クラブ、千葉ジェッツのパートナーだったからだ。

櫓とジェッツとのパートナーシップは、まだジェッツがホームゲームの集客に大苦戦を強いられていたNBL所属時代に始まり、B1制覇を見届けた翌年の2022年まで続いた。一つのクラブが飛躍を遂げる姿を見届け、支援の役割が一つの節目を迎えたことで、櫓はパートナーとしての立場を卒業した形だ。

ただ、ジェッツとの関係を深めた当時の感触が今も心に残っている。アルティーリ千葉のプレゼンテーションを聞いたとき、「千葉ジェッツと初めて語り合ったときの『何とか盛り上げていきたい』という気持ちがかぶりました。これからスタートしていくんだという思いなんでしょうね。やっぱり、人に心を打たれるということなのだと思います。アルティーリ千葉の方々との話し合いでも、チームとしての思いがすごく伝わってきました」

アルティーリ千葉が順調にB1昇格を達成すれば、ゆくゆくは千葉県内のプロクラブ同士が千葉県内のアリーナで対決する「千葉ダービー」が実現する。「そこが夢ですよね。そうなってもらいたいなと思っています」。これは鈴木氏の心からの願いだ。

ただし、アルティーリ千葉の歴史は始まったばかりであり、櫓としてもパートナーシップを始めたばかり。確固たる理念の下でファンやパートナーとのコミュニケーションに耳を傾け、まずは双方向の意思の疎通を土台とした協力体制の中で、かっこいいチーム作りを確実に発展させていきたい。「芯のあるクラブの歴史づくりだからこそアンテナを張ることが大事」。鈴木氏はパートナーシップのこれからについて、こう力強く語った。

取材・文/柴田 健(月バス.COM