PARTNER STORY 2022

絆を胸に、アルティーリ千葉のライジングストーリーを一緒に作っていく

――ギークス株式会社代表取締役CEO 曽根原稔人

アルティーリ千葉とギークス株式会社のパートナーシップは、野心的な実業家同士の絆と、これからの発展に向けた明確なビジョンと夢見る思いを土台とした関係性の中で誕生した。クラブの母体となる株式会社アトラエ代表取締役CEOの新居佳英とビジネスの世界で長年のつきあいがあった曽根原氏は、B3参戦に向け動き出した新居からパートナーシップの提案を受け、率直に「面白そうだな」と思ったという。「新しく生まれたかっこいいバスケットボールクラブが、彼の描くストーリーどおりに成長できたら面白いし、ライジングストーリーを一緒に作れるなと思いました」

バスケットボールは、学校の授業などでやったことがないわけではない。ただし、しっかりとプレーしたこともなく、熱烈なファンで日常的に見ていたわけでもないという。しかし、1975年生まれの曽根原氏も、やはり大人気コミックの「スラムダンク」が連載されていた時期に青春時代を過ごした世代。競技経験のない少年がバスケットボールに魅了され、一人の若者として成長していく姿を描いたそのストーリーが、新規参入クラブとして高い目標に向かってゼロからスタートを切ったアルティーリ千葉にも重なった。

応援してみよう。バスケットボールに縁がなかった曽根原氏は、そんな思いに駆られてアルティーリ千葉の「THE GREAT HISTORY BEGINS(偉大なる歴史の始まり)」に、創設初年度からブランドパートナーとして名乗りを上げることとなった。

社内一丸で向かっていく気運の醸成を期待

前評判が高かった昨シーズン、ホーム開幕戦の逆転勝利を含めドキドキしながら戦況を見守っていた。「新居さんはもっとドキドキしたかもしれませんが(笑) でもメンバーが噛み合うまでの時間もかかるだろうし、きっと大丈夫だと信じて見守っていたという感じです。レオ・ライオンズ選手が故障離脱したときには、本当に大丈夫か!? とも思いましたが、若手の成長やベテランの牽引で一人頼みのチームではないことを見せてくれたのは素晴らしいかったですね」

主力中の主力が離脱してもチーム力で難局を乗り越えていったアルティーリ千葉の戦いぶりや、公言していたとおりに1年目でB2昇格という目標を結果として出して見せたプロフェッショナリズムは、パートナーとしてかかわるギークス株式会社の社内にも一丸となって何かに向かっていく雰囲気を生み出す期待があった。事実、社内に熱烈なファンも生まれ、中には大塚裕土の“追っかけ”ファンもいるそうだ。昨シーズンよりもコロナ禍の悪影響が軽減し、かつB2というステージで戦う2022-23シーズンは、そうした効果に対する期待もさらに大きく膨らむ。

前述のとおり社内に熱烈なファンが生まれている中、今シーズンは「今までバスケットボールファンだった人たちだけではなく、見たことがなかった人が応援に参加するような状態を社内で作っていけたら面白いかなと思います」とさらに支援の輪を広げようとしている。「1回行ってみようよと。やっぱり面白いじゃないですか。ステージが上がればそれだけ応援のしがいも出てくるものだと思いますしね」

千葉市を拠点とするアルティーリ千葉と渋谷を拠点とするギークス株式会社は、一見まったく重なりがなさそうに見えるかもしれない。しかしこうしたエピソードが、実は両者のパートナーシップが一体感のある関係性の中で前進していることを物語る。

創設初シーズンを共に歩み、ファンとの気持ちの共有もできるようにという願いも芽生えている。「我々もファンの皆さんと一緒の思いで応援しています。お互い頑張って盛り上げていきましょう」。ファンに伝えたい言葉を尋ねると、曽根原氏は柔らかな笑顔を浮かべながらこんなふうに答えてくれた。

企画会議に出られたらというくらいの思いで支える

しかしパートナーシップに乗り出すにあたっては、2つの町の物理的な距離からやや迷いもあったことも曽根原氏は明かしている。「パートナーになる企業を見つけていくにしても、地元に密着した方がいいんじゃないかとも思ったんですよ。地元の方々が親しみを感じられる企業の方がよいのではないか、渋谷を拠点としているパートナーの名前を見て距離を感じてほしくはないなと」。それでも、物理的な距離を飛び越えて双方のブランド価値を高めていってこそのパートナーシップ。曽根原氏はクラブ運営への非常に強い参加意識を見せている。

曽根原氏自身の説明によれば、ギークス株式会社は企業経営におけるESGというキーワード(Environment[環境]、Social[社会]、Governance[ガバナンス]を組み合わせた言葉)の文脈の中でも、特にSの社会貢献、社会課題を解決する方向に寄ったビジネスモデルの企業だ。具体的には、日本という国が抱えたIT人材不足という大きな課題の解決を目指し、フリーランスのITエンジニアのような人材が活躍できる土壌づくりとその人材育成に取り組んでいる。これまでは社内異動で賄っていた人材とその技術力を、企業間異動できる状態でシェアリングするより柔軟な環境づくりを促進し、一方ではグループでIT人材をゼロから育て上げるソリューションを企業向けに提案。その両輪で日本の社会課題を解決していくのだ。「(アルティーリ千葉との)直接的なスポーツでのリンクは今のところはないのですが、例えばスポーツ選手のセカンドキャリアについてIT支援できないかというようなことでも、将来的に繋がることはあるかもしれないですね」と話す。

しかしこの時代、IT人材がスポーツクラブにも必要なことは明白だ。「僕自身が顧問になって企画会議に入れてもらえたらなというくらいの思い」とさえ語る曽根原氏率いるギークスが、いつの間にか見えないところで他クラブとのディファレンス・メイカーとなっているかもしれない。

今シーズンのアルティーリ千葉に対する支援策にも、「こういうことをしてほしいというものがあったら、できる限り応えたい」と意欲的。自社の説明をしてくれた後、「そういうことを考えている会社が支援しているのがアルティーリ千葉です」と再び柔らかな笑顔を見せた曽根原氏は、思いを共にするパートナーとして自らのプロパティーを惜しげなく提供しながら積極的にかかわろうとする姿勢を持っている。これはアルティーリ千葉にとってかけがえのない財産だ。

曽根原社長の昨シーズン印象に残った試合
B2昇格決定戦(トライフープ岡山戦)

いつもはハラハラする展開があるが、この時は序盤から確実に点を取っており、試合展開もよかった。100点取っての勝利!かつ、B2昇格!

取材・文/柴田 健(月バス.COM