

PARTNER STORY 2024-25
アルティーリ千葉が地域と人々にもたらす熱に強く魅力を感じます
通販で購入したお気に入りアイテムが手元に届けられたとき、言いようのないワクワク感を経験された人は多いことだろう。ポチッとしたら、あとは待つだけ。A-xxの皆さんなら、クラブ公式アイテムが到着する日は、自分がA-xxである喜びを強く自覚する日に違いない。
「次のアリーナ観戦はこのアイテムで決まり!」と決意。心待ちに迎えた試合当日は、ブラックネイビーに身を包んだあなたの声援がチームを奮い立たせる。その思いに応えようと選手たちが全力を尽くすことで、いつの間にか一つのアイテムを通じて喜びの力が循環し、A-xxとチーム、クラブをつなぐ「Ubuntu(ウブントゥ)」が体現される。
バスケットボールを通じてこんな関係性を生み出すことこそ、アルティーリ千葉の存在意義だ。しかし、それはクラブだけ、チームだけの力はなしえない。A-xxが加わっても十分ではない。それぞれの思いをつなぐ「デリバリー」があって初めて成り立つ。
その役割を広く一般社会を舞台に担う企業、株式会社T.T.Dが、2025年2月にクラブパートナーとして名乗りを挙げた。T.T.Dはデリバリーサービスを主な事業の柱とし、アルティーリ千葉とA-xxをつなぐのと同じ喜びの力を、全国の人々の間に循環させる役割を担っている。

代表取締役CEOを務める高澤毅祠は、前身となる高澤運送を9年前に1人で立ち上げた。当初は知人が働く郵便局の手伝いが主な仕事。完全出来高歩合制の業務委託で、やった分だけ収入が得られるシステムだったという。その業務が短期間で軌道に乗り、月当たりの配送件数が4000件超に急拡大。ならばと仲間を増やして取り組んだ結果、今では郵便局の配達支援は25局に及ぶ。それだけでなく、アマゾンジャパン合同会社のオフィシャル配送サービスパートナーとなり、大手配送会社の業務委託も受けている。ドライバーは全国で300人超え。これは業界トップクラスだ。第2の柱となるトラック配送事業と鈑金自動車整備事業にも着手し、売上高が約18億円に到達するなど、現在も成長ぶりは目覚ましい。

業界内での実績を人材獲得につなげたい
あなたが「ポチッた」お気に入りの品を届けてくれたドライバーの中にも、T.T.Dのドライバーがいたかもしれない。しかし、あなたがドライバーの姿を思い出したり、意識したりすることはほとんどないのではなかろうか。それは、T.T.Dのような企業が配送という社会インフラの下支えとして日々「良い仕事」をしているからに違いない。ドライバーたちが出しゃばらず、決められた配達物を決められたルーティンに則って決められた場所へと確実に、自動的に届けることにより、あなたはアマゾンが来たらアマゾンだと認識し、郵便局のロゴをみれば郵便局だと思ってデリバリーを受け入れる。
それでいいのだし、そうあるべきだろう。ただ、傍目からは想像しにくいところで、社会的な課題が生まれている。ドライバー人材の獲得難だ。T.T.Dがアルティーリ千葉とのパートナーシップに乗り出した背景はそれだった。
物流業界の人手不足から、「2024年問題」という言葉が聞かれるようになって久しいが、高澤代表が9年前この仕事を始めたきっかけ自体も人手不足だったという。それが今や、あらゆる業界で大きな課題とされており、状況は厳しさを増している。業界では広く知られる実力をつけたものの、自社名ではなくパートナー企業の看板を背負っての事業であるため、一般的な認知度獲得には至らない。人集めに苦戦が続く。
配送は体を使うタフさが要求され、運転にもデリバリー完了にも責任感を求められる。送り手、送り先など、社内外の人々とコミュニケーションをとる力も必要だ。内勤に関しても、高澤代表が「うちの事務担当は“戦う事務”」と形容するほどタフ。ドライバー300人の給与管理に始まり、頑張りの利く人材が必要となる。T.T.Dの職務を「楽な仕事ですよ」というつもりは全くない。
しかしT.T.Dは配送ルート管理アプリの活用や、初心者向けの「横乗り同乗研修」など、作業負担を軽減するシステムを取り入れている。何より、働いた分だけ収入が増える。高卒時点から還暦を過ぎた人まで幅広く働ける。女性も大歓迎。9時~5時の固定勤務ではなく、自宅から郵便局や集配センターに直行してその日の配送ルートをこなしたら直帰できる柔軟な勤務形態でもある。
T.T.Dなら努力次第で「儲かるドライバー」に安心してなれる——率直に言えば、それが広く伝わってドライバー獲得につながってほしい。高澤代表は、アルティーリ千葉とのパートナーシップに活路を見出した。
しかし、なぜ? バスケットボールとドライバー募集はどうしてつながったのだろうか。
いつの間にか“A-xxドライバー”の輪が広がっていた
千葉ポートアリーナから西に直線距離で約1km離れた千葉中央郵便局。T.T.D.は千葉市一帯の郵送業務の中枢であるこの郵便局を、ドライバー25人体制で支援している。ある日その中の1人が、千葉ポートアリーナを通りかかるたびに目に入るアルティーリ千葉のロゴの話を始めた。
「“ALTIRI CHIBA”って何だか知ってる?」
「バスケらしいな」
「俺たちの街のプロチームだよ」
そんな会話が日に日に熱量のある話題に膨らんでいった。「皆が毎日アルティーリ千葉の話をするので、とても興味を引かれるようになりました。私たちと同じエリアが拠点で地域を盛り上げてくれている。そんなアルティーリ千葉を皆が楽しみや励みにしているんですよ」。高澤代表はそう話す。

もともとバスケットボール畑の人物ではない高澤代表。しかし、「アルティーリ千葉が地域と人々にもたらす熱に強く魅力を感じます」と語るその言葉自体が熱を帯びていた。「皆、黙々と日々の業務に励みながら、仕事についていろんな思いや考え方を持つでしょう。つらい気持ちになっているときもあるかもしれません。でも、アルティーリ千葉について語らうことが、皆をそこから解放してくれます。我々と同じ地域でこれから伸びていこうというアルティーリ千葉ですから、我々もぜひ応援したいと思いました」
思いがけずドライバーたちの間に広がっていたA-xxの輪。アルティーリ千葉の話題が、地域とドライバーの間に一体感を生み出していることは明らかだ。そこから検討を進めると、ほかにも前向きな影響力をいくつも感じることができた。
「宅配業では、受け取る方に安心してもらうために自社ブランドが必要になります。アルティーリ千葉のパートナーだとわかれば安心して受け取っていただけるでしょう」と高澤代表。さらには、アルティーリ千葉の話題から、様々な場面で「うちはA-xxがいっぱいいるよ。仕事を探しているなら君も働いてみないか?」という会話もできるにちがいない。
「デリバー(deliver)」の本来的な意味は「届ける」ことだが、転じてバスケットボールでは、「チームがファンに勝利の喜びを届ける」こと、「スコアラーがきっちりフィニッシュして得点する」こととなる。高澤代表は「アルティーリ千葉と宅配業には全く関係性はないかもしれませんね」とも言っていたが、人と人との心をつなぎ、日々“デリバー”し続けるT.T.Dの仕事ぶりを思えばそうでもなさそうだ。勤勉なその仕事ぶりは、それだけでもアルティーリ千葉の背中を押す強大な力。地域としてUbuntuを体現するには、日々汗を流して働くこの人たちが欠かせない。
