PARTNER STORY 2023-24

ウェルネスのコンセプトを、アルティーリ千葉がコートで体現してくれる

昨シーズンのB2で、リーグ最高となる47勝13敗(勝率.783)の成績を残して東地区優勝を達成したアルティーリ千葉を象徴する数字として、チーム力を示す主要スタッツ項目の一つであるリバウンドの本数が挙げられる。この項目でチームとして記録した1試合38.8本のアベレージは、リーグ全体5位の好成績。しかし、個々でトップテンに入ったプレーヤーはいない。

控えも含め全員が一致団結してボールに食らいつかなければこうはいかない。非常に価値ある数字ではないだろうか。こうしたチームワークの拠りどころとして、アンドレ・レマニスHCは「Ubuntu(ウブントゥ)」という言葉を提唱している。元はアフリカの哲学思想として伝えられてきた、「あなたがいるから、私も成功できる」というような意味合いの言葉だ。

この言葉に共感して、今シーズンから新たにアルティーリ千葉のパートナーに加わった企業の一つがトップソルブ株式会社だ。代表取締役社長を務める渡邊 淳は、「私たちも理念として『5WIN』という言葉を掲げて、トップソルブに社員、家族、お客様、関係会社、社会という異なる立場で関わる人々が、それぞれに豊かな人生を実現していくことを目指しています。アルティーリ千葉と共通する部分があって、企業としての我々の理念がコートで体現されるような期待があるんですよ」と決断の背景を語る。

「2017年にスタートした我々と同じように、千葉を拠点に2020年に生まれたばかりのアルティーリ千葉が、これから飛躍していくんだという思いにも共鳴しました。我々もバスケと同じように、モノではなく治療という無形の価値を提供して対価をいただいています。事業を通じて、心も体も健康で豊かであることを表すウェルネスという幅広い価値観を世界に広めたいと考えているのですが、バスケも試合を見て感動をもらうことで人々の人生が豊かになるじゃないですか。そういった意味で通じる部分があるとも感じています」

社員・家族・お客様・関係会社・社会——あなたがいるから私も成功できる

千葉、東京、埼玉で10店舗の鍼灸整骨院を経営するトップソルブは、個々の施術家の技術と人間力を通じて、関わる人々の人生を豊かにする企業だ。加えて整体院・接骨院の経営安定化支援、施術家と企業のマッチングや施術家育成支援などのコンサルティング、予防介護やリハビリを目的とした美容鍼灸院の運営と、ウェルネスの分野で幅広く事業を展開している。

チームワーク重視の理念を掲げる背景には、渡邊自身の経験がある。高校生まではサッカーでプロを目指すほどのアスリートだった渡邊は、プロ入りを断念した後、不運にも交通事故で大ケガを負ってしまう。しかし、そこから社会復帰を果たす過程を支えてくれた医師の姿が、その後の道標となった。自分の成功に自分以外の人々の力が必要なんだ。そう悟った渡邊は、「お世話になった先生方のように、人に喜ばれる仕事に就きたい」と思うようになったという。

アスリートの情熱もまだ燃え尽きてはいなかった。それが転じて、幅広い人々の元気な活躍の力となる治療や施術の道を志す。そんな経過をたどって創業したトップソルブで、渡邊が掲げた理念も自然と人々への感謝や協調性に基づく内容になった。

信頼関係に基づいた距離感ゼロの施術で、人々の心に刺さった串を取り払う

鍼灸師や整体師などの施術家がもたらすウェルネスの効果は、無形の価値を提供するという意味で、確かにバスケットボールが生み出す感動の力と共通している。しかし一方で、患者の体に直接触れるという点ではプレーヤーとファンの関係性とは対照的でもある。渡邊の言葉を借りれば「距離感ゼロ」の仕事。その関係性の中で施術家が最大限の効果を得るには、確かな施術技能と知識はもちろんのこと、心身の痛みを抱えた人々が安心してすべてをゆだねられる人間力が備わっていることが大前提となる。「治すのは当たり前なのですが、大事なのはその方の未来に向けて心と体を満たしていくという仕事。それは治療技術だけではできません」と渡邊は言う。

「患者」という言葉の「患」は、「心」に「串」が刺さった状態を象っている。痛みを持つ人の様子をなんともうまく表現した文字だが、渡邊の考える施術家の仕事はこの串を取り払うことだ。「体を治せばいいというわけではないんです。トップソルブにいらっしゃる方々の多くは、病院でも痛みの原因がわからなかったり、もう治ったはずなのに痛みが残っているような方々。そういうところをケアしていくのが我々の仕事です」

これは簡単ではない。治療技術面のレベルを保つためのマニュアルは当然存在するが、それを遂行しても達成できるのは60%程度だという。残りの40%は「また来たいと思ってもらうこと」。これが難しい。「感動を与えられるかどうかは施術家のあり方が影響するところです」と渡邊は話す。良いあり方はケースバイケース。社内規則としてではなく、皆が意識するよう促しているという。

ライフスタイルに合ったオーダーメイドの治療を提供することで、一人一人の治療をカスタマイズできる体制を整えている点も、トップソルブのユニークな特徴。そのため、部活やユースクラブでスポーツに励む子どもたちからシニア層まで、性別や年齢にかかわらず様々な人々が訪れるが、施術家の負担も考慮しながら朝から晩までフレキシブルに対応している。この点も、何度でも来たくなる安心感や、活力を取り戻していく喜びを膨らませる要素だ。

パートナーシップを飛躍のステップに

アルティーリ千葉とのパートナーシップでは、未来を背負う子どもたちに夢を与える取り組みや、施術家を目指す若者たちの励みになるような活躍の場作りを通じて、地域の活性化に貢献したいと考えている。また、現在の10店舗から5年で全国50店舗に拡大し、さらに海外進出を目指す事業計画の中で、「良い意味で、B2で千葉ポートアリーナに4,000人を集めるほどの勢いがあるアルティーリ千葉の、見る者を惹きつける力を借りたい」とも話す。

「スポーツが生み出す熱、感動に魅了されて心が豊かになるのと同じように、私たちもウェルネスを広めて地域の方々の心を豊かにしていきたいです。トップソルブで心身を整えて、バスケの応援でさらに元気になってまた頑張れる。そんな流れをアルティーリ千葉と一緒に作りたいですね」。今シーズンの目標であるB2王座獲得とB1昇格達成に向け、トップソルブと共鳴し合いながら高いエナジーレベルで突き進みたいアルティーリ千葉に、頼もしい援軍が加わった。