PARTNER STORY 2023-24

アルティーリ千葉の応援を通じて、同じ熱量で働ける仲間と出会いたい

ちば国際税理士法人とアルティーリ千葉のパートナーシップがどんなきっかけで生まれ、そこにどんな広がりを期待できるのか、事務所の名前を聞いた時点で想像をつけられる人は多くないのではなかろうか。

税理士はいわゆる8士業の一つ。合格率10%台の難関を突破して国家資格を手にした者にだけ許される業態だ。税法上提出しなければならないややこしい書類の作成代行はいろはの「い」。それに始まって、整然と数字が並んだ資料を分析して取引先の経営を側面から支援し、さらには社会が健全に回っていくのに欠かせない公平・公正な税負担、納税義務の適正な実現を図るを監視する重責も担っている。

職種上のそうした特徴は、税理士一般の堅物なイメージを作り上げているかもしれない。ただし、8士業の定型作業に没頭するとっつきにくい人というステレオタイプは、実像とかけ離れている。

最たる例がアルティーリ千葉のシャープシューター岡田優介だ。公認会計士の資格を持つ彼が、周囲の人々を大切にする温かみのある人柄だということはファンの皆さんがご存じの通り。人を気遣い、人の気遣いを敏感に感じ取る繊細な心とまっすぐな性格の持ち主であり、研究熱心で自ら決めた目標に向かって日々努力を積み重ねられる。そんなアスリート会計士、岡田のキャラクターは、活躍の場がコート上であることを除けば現代的なエリート税理士に重なるところが多い。

ちば国際税理士法人とアルティーリ千葉の縁は、岡田よりも少し前の時代にバスケットボールに情熱を注ぎ、その後税理士を志した桐谷美千子と源川儀則の人生が基となって生まれている。二人は共通の恩師の下で税務に励み、ちば国際税理士法人を立ち上げ、今日まで事務所を支える二本柱だ。桐谷は「成東高校時代まで頑張ってやっていました。ゴール下はガンガン当たってくる銚子市周辺の強豪チームと同じ地域でしたが、3年生のときは県大会まで勝ち進めて、楽しかったですね」と現役アスリート時代を振り返る。新潟県出身の源川は「中学校の部活で本格的にやっていました。雪国でバスケットボールが盛んだったんですよ」とのことだ。

競技生活を終えた後、二人は税理士試験へのチャレンジを経て実務としてのキャリアを築いてきたわけだが、実は現在でも地域のミニバスチームを支援している。2023-24シーズン中には、アルティーリ千葉協力の下、バスケットボール教室開催やホームゲームへの子どもたちの招待も予定しているという。

試練の時代を迎えている税理士業

そんな二人にアルティーリ千葉を応援することになった経緯を尋ねると、税理士を取り巻く現状に対する懸念と、アルティーリ千葉への期待が入り混じった思いを聞くことができた。まずは前者について、二人の言葉を紹介しよう。

「私たちは税理士ですから、税金のプロというのは間違いありません。でも今は、中小企業の社長や経営陣の一番身近な味方という存在で、税に関することは仕事の2~3割程度。それ以上に、経営者の悩みを聞き出せる関係構築が勝負です。でも、そこに熱量のある税理士がなかなか見つからないんです」というのが桐谷の思い。一方、源川は「(税理士の仕事は)企業の相談相手。我々は何でも屋なんだよとよく教えられました」と話し、「かつてはいわゆる『帳面屋』だったんですが、最近はコンサルティングに変わってきています」と業界における時代の流れを教えてくれた。

人間味と税務能力を兼ね備えた人材が求められている現状に対し、税理士の業界は概況的にかなり強い逆風の中にあるようだ。生成AIの発達とともに8士業の将来性を危惧する偏った見方が広がり、コロナ禍も重なったことで、税理士試験の受験者数は10年前からほぼ半減。「私たちの次を背負う世代がいなくなる。だから、子どもたちに税理士業っておもしろいよというのを知ってもらいたい気持ちも強いです」と桐谷は話す。

ちば国際税理士法人は、理念として「自利利他」という言葉を掲げている。源川の説明では「仏教から借りてきた言葉」とのこと。自らと他者を分けて考えず、相手のことを親身になって考えようというその真意は、アルティーリ千葉のクラブコンセプトである「Ubuntu(ウブントゥ: アフリカの哲学に由来し、『あなたがいるから私が成功できる』という意味合い)」にも通じるところがある。それを体現していく熱量のある税理士、人間味あふれる次世代人材がほしいのだ。

「相手の悩みを聞き出すのに半年かかることもあります。私たちと一緒に、それをできる人になろうという思いがある人が欲しいんです。税務は教えられてもその部分は教えられません。他人はどうでもいいと思っている人は、それができないんです(桐谷談)」

激動期にアルティーリ千葉で活路を見出す

そこに突如として登場したアルティーリ千葉は、思いがけず活路を開く存在として信じられるだけの要素を提供した。第一に、バスケットボール好きな自分たちと同じ千葉市を拠点とするチームであり、取引先との会話に弾みをつけてくれる。岡田優介という稀有なアスリート会計士がいるではないか。期待をもってパートナーシップを締結し、実際に千葉ポートアリーナに出かけて観戦した最初の試合では、褐色のボールを追いかけた自分たちの「あの頃」を思い出して早くも胸が熱くなった(アースフレンズ東京Zを96-65で下した2023年1月7日の一戦)。激闘のプレーオフでは、ブラックネイビーに染まったアリーナにこだまする「チーバ! チーバ!」の大合唱に魂を揺さぶられた。「あの大声援がめちゃめちゃうれしくて。なんだろう!! この感動…!」と桐谷はその体験を言い表した。

そんなクラブ自体の魅力に加え、母体の株式会社アトラエは人材と企業の橋渡しを事業としている。「これこそ何年も前から思っていたことじゃないか!」。二人は胸を躍らせた。源川は、「アルティーリ千葉で『つかみはオッケー』といきたい。僕らがこのクラブを応援しているというところから始まって、興味を持ってもらえたらと思っています」と笑顔で語る。

今では事務所を挙げてアルティーリ千葉に声援を贈っているちば国際税理士法人。家族的な雰囲気の中で、仕事とは別にバスケットボールはスタッフの拠りどころとなっている。取引先からの問い合わせも多く、意気揚々と臨む2023-24シーズンは、会場の熱気を顧客と一緒に味わうことも楽しみだ。

二人に締めの質問として、ファンとどんな思いを分かち合いたいかと聞くと、「会場にいきましょう!(源川)」、「同じファンとして“ROAD TO B1”の旅を一緒に応援しましょう。子どもたちをいっぱい連れて見に行こうと思っているので、会場が子どもたちで溢れたらいいなあ!(桐谷)」と弾むような答えが返ってきた。